ペップトークとは

応援文化構築の第一歩は、普段使っている言葉を前向きに変えていくことです。その手法がペップトークです。

アメリカのスポーツシーンで生まれた「ペップトーク」は、試合前に監督やコーチが選手にかける、短くて前向きな“やる気を引き出す言葉”です。
日本では、ビジネスや教育、家庭など、さまざまな場面で使える「人を励まし、行動を促す言葉がけ」として広まりつつあります。

相手の状況や感情に寄り添いながら、ポジティブな未来に向けて背中を押す。
そんな温かくて力強い言葉が、職場や人間関係を変えるきっかけになります。
職場でも、人は「言葉」で動きます。
たとえば上司の何気ない一言が、部下の自信を奪ってしまったり、逆にたった一言で誰かの挑戦を後押しできたりします。

ペップトークは、社員同士の声かけや、上司のフィードバック、チームでの対話など、日常のコミュニケーションに自然に組み込めるシンプルな技術です。
特別なスキルがなくても、言葉を“ちょっと変える”だけで、組織の空気や人の動き方が少しずつ変わっていきます。例えば、「なんでできないんだ」を「どうやったらできるか考えてみよう」「ミスするなよ」を「確認しながら進めよう」などと相手の力を引き出す言葉に変えていきます。

導入した企業では、「前向きな言葉が増えた」「部下との距離が縮まった」「会話のトーンが明るくなった」など、目に見える変化が現れ始めます。
やがてそれが、自分を認める文化や相手を応援する風土となって、組織全体のエネルギーへと変わっていきます。

ペップトーク4つのステップ ①受容(事実の受け入れ) ②承認(とらえかた変換) ③行動(してほしい変換) ④激励(背中の一押し)

ペップトークを活用した事例

ビジネスシーン

千葉県の豊清工業株式会社では、「社内コミュニケーションは基本ペップトークとする」と経営計画書に明記。

これにより、日常の声かけが前向きな言葉に変わり、人間関係が大きく改善しました。
特に上司と部下の信頼関係が深まり、社員が失敗を恐れず挑戦できる風土が醸成。互いに応援し合える関係性が広がり、主体的に動く社員が増えました。
結果として、離職率の低下・定着率の向上に加え、コロナ禍を乗り越えた後には売上が30%増加。

「社長が叱咤激励する組織」から「社員一人ひとりが自ら動き、応援が循環する会社」へと進化を遂げています。

スポーツシーン

東京都品川区の少年野球チーム「旗の台クラブ」は、小学校のPTA対象講演会をきっかけにペップトークを導入。

それまでミスを責める言葉が飛び交っていたチームでしたが、指導者の言葉が「励まし・承認・感謝」に変わったことで、子どもたちの表情が明るくなり、仲間を応援し合う一体感が生まれました。ミスを恐れて縮こまっていたプレーも、思い切り挑戦するプレーへと変化。選手一人ひとりの自己肯定感が高まり、チームの雰囲気は大きく変わりました。

その成果は着実に積み重なり、導入後すぐに124チームのトーナメントで優勝。2年後、子どもたちが5年生になったときには東京都学童新人戦で見事優勝を果たしました。さらに翌年、6年生になると全国大会に出場し、強豪ひしめく中で堂々のベスト8入りを達成。そして大会主催者からは「チーム全員の言葉がけが素晴らしい」と表彰を受けるまでに。ペップトークの実践が、旗の台クラブを“楽しく勝てる組織”へと進化させました。

教育現場

ペップトークを導入したある公立中学校では、「励ましの言葉で生徒の可能性を引き出す」ことをテーマに、教員全体でペップトークを学び、日常の声かけや学級活動に取り入れる取り組みをスタート。

授業中、発言をためらいがちだった生徒に対し、「失敗しても大丈夫」「あなたの考えを聞かせてほしい」といった前向きな言葉かけが日常化したことで、生徒たちの挑戦意欲が高まり、主体的な学習態度が見られるようになった。また、教員同士のコミュニケーションでも、互いの努力を認め合う「承認」の声かけが増え、職員室の雰囲気が明るく、ポジティブなものに変化していった。

その結果、「自己肯定感が高まった」「学校が好きになった」と話す生徒が増加。教員も「チームとして生徒を支えている実感がある」と感じるようになり、学校全体の活気が向上。ペップトークは、生徒と教員、双方の自己肯定感を高め、温かい人間関係を築くことで、活気あふれる学校づくりへとつながる。

写真はイメージです

日常の親子の会話で

ある家庭では、娘さんが中学受験に挑戦する時期に「日々の声かけ」をペップトークに変えることを意識しました。

算数の問題に取り組むとき、これまでは「どうしてできないの?」と否定的な言葉をかけてしまうことが多かったのですが、ペップトークを学んでからは「わかる!わかる!君ならわかる!」「できる!できる!必ずできる!」と、リズムにのせたポジティブな声かけへと変化しました。最初は戸惑っていた娘さんも、繰り返される励ましの言葉に少しずつ笑顔を見せるようになり、「自分ならできる」という気持ちを持って挑戦できるようになっていきました。

その成果は、受験本番で大きく表れます。合格の可能性30%以下と言われた志望校(D判定)に見事合格。親子で励まし合いながら勝ち取った合格は、学力の成果だけでなく「自信」と「親子の絆」という大きな財産になりました。

今では「勉強しなさい」と言わなくても、自ら「やってみたい!」と挑戦する姿が増え、親子の会話の中にも自然とポジティブな言葉が飛び交うように。合格後も親子の仲は良好で、互いに信頼し合える関係を築いています。

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